朝の通勤途中、橋の上で時々すれ違う親子がいる。
我が家の近所の保育園へ、お父さんが息子を自転車で送ってくるのだ。

荷台に子ども用の座席が取り付けられたママチャリに、男の子がヘルメットをかぶって握り手をしっかりつかみ、真っ直ぐ前を見て座っている。
この季節は寒さよけのビニールカバーも取り付けられているので、そのビニールハウスの様なカバーの中に子どもはすっぽりおさまっている。
お父さんも息子同様まっすぐ前を向いて、自転車を漕いでいる。
自転車は一瞬で私の横を通り過ぎていくのだが、なぜか私はその見ず知らずの名も知らぬ親子を見かけるのが、密かな楽しみになっている。
不思議とその親子からは、朝の慌ただしさを感じない。
まっすぐ前を向いて走り去るその親子の顔には、なんとも言えない充足感が漂っているのだ。
その2人がかもし出している空気感が、流れていく一瞬の光景として私の目に映り込む時、私の幸せセンサーが働いて、私を満たしていく。
袖擦り合うも多少の縁。
このささやかなヒトコマは、確実に私の世界に波を起こしている。
モモ
