食べものの力、身体に大切な「塩」のこと。

今年の夏、父が風邪のような症状から体調を崩しました。
ここ数年健康でしたので、本人は“病気”とは無縁と気も強く過ごしており、処方された薬も飲みにくいと言って飲まず、自然と回復するのを待っておりました。

はじめは、少し咳が出ているくらいでしたが治りが遅く、その後、いわゆるコロナと診断されてから急に元気がなくなり、徐々に熱や痰も出て、その後一気に食欲がなくなってきました。
2、3日食べる量が減ると体重がどんどん落ち、元々やせ型で脂肪も少ないため身体の骨もはっきりと浮かび上がってきて、起き上がることも難しくほぼ寝たきりの状態となりました。
救急相談テレホンや、かかりつけの病院に相談しても「少し様子をみてください」との対応でしたので、自宅療養をすることにしました。
自宅では、食べやすく滋養が良いものを出したり、私が出来るケアを続けていましたが、父の食欲は増えず、気力と体力が回復しない日々が続きました。

衰弱していく父を見て、私はどうすれば良いのだろう?他に何か出来ることは?私の判断は正しいのだろうか?と、迷いや不安、そして恐怖心がでてきました。

この状況を相談させていただいた方から、「高齢者が体調を崩して食欲がなくなるときには、栄養不足と“塩切れ”で、当人にはなかなか気付けず脳や心臓に負担がかかってくる。」と教えていただきました。
父は、毎日好きで食べていたお味噌汁や漬物も拒否していたので、徐々に塩切れになり、本当に身体に必要なものがわからなくなるほど、脳や思考にも大きく影響が出ていたのだと思います。

そしてその時に、私が子どものころ、元看護師の伯母が「塩は人間にとってなくてはならないもの。塩がないと人は死んでしまう。」と言っていたことを思い出しました。

それで塩について調べていくと、体内に取り入れた塩分は血液にまざり、栄養を運び新陳代謝を促すので、それが不足することで免疫力が下がり、日常生活に支障をきたす症状が現れる。また、“塩切れ”により、疲れやすい、食欲がない、無気力、精神の不安定、立ちくらみなどのさまざまな不調も発生することがあるということや、減塩が行き過ぎてしまうことでおこる“過度”の塩分不足も、私たちの健康を脅かすものであることを理解しなくてはいけない。など、塩が身体に与える影響が数々記されていました。

私は、これまで食事は父に任せっきりで、ほとんど料理をしませんでした。でも必要になれば、自分でも驚くほど頭も身体も動くようになるものです。
塩分も意識しながら、滋養に良いと聞いたり調べた食材で調理をしたり、父の体調をみて良いと思うものを色々と作っていきました。

その内、そんな私を逆に気づかってか、父は少しずつ頑張って食べたり飲んだりしてくれるようになりました。
そして、周りの方々からの励ましもいただき、気力と体力が回復し、約ひと月半後には一人で歩き、身の回りのこともできるようになり、今ではすっかり元気になりました。

そして、私もこのことでこれまで以上に食に興味を持ち、料理が楽しくなりました。

余談ですが、私が生まれた時に、名前を「塩」と書いて「えん」と命名されるところだったそうです。(実話です。)それを提案したのは先の話に出た伯母ですが、父が全力で止めたそうです(^ ^)
今になると、塩の大切さを思いに込めて、人の役に立って欲しいと願った伯母の気持ちも分からなくはないです。

今回のことで、食べることの大切さと、食べものと塩の力、そしてその心身への影響を沢山学ばせていただきました。
ちなみに、塩は「精製塩」よりも、ミネラルを多く含んだ「天然塩」がおすすめですよ。
日ごろから安心できる良いものを口にして、内側からも健康な身体を作っていきたいものですね。

ペンネーム:ユメコ

引用元:「塩と体、健康と塩」、ソルト株式会社 おもしろく楽しく学ぶ 塩なび 塩 百科事典、http://www.tokyosalt.co.jp/health

※写真は、この夏作った自家製梅干しです。

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