多賀城跡地に着くと、目の前には豊かな緑と広く見晴らしの良い景色が広がり、遠くには海も見えました。
高台にあるその跡地はきれいに整備されていて、日当たりも良くとても穏やかな場所でした。
多賀城は「賀(よろこ)び多き城」と読むことができるように、東北の安寧を願って創られたお城と言われているそうです。
県内に、「幸せを願って創られたそんなお城があったんだ!」と知り、また嬉しくなってしまったのですが、その歴史をさらに調べていくと、そこは東北全域の政治や儀式の場である政庁があり、外交政策も行っていた一大官衙(かんが)だったとのことでした。
後に多賀城は焼き討ちに合うのですが、なぜかその暗い歴史を感じられず、ずっとここで過ごしていたいなと思えるほどの和やかさを感じました。
もしかすると、東北の平和のために働いていた人々の、当時の願いがまだ残っているからかもしれないなと思いました。
卑弥呼は、人々の幸せのために “和” を誓って国を治めたと言われています。
時代は違っても、同じような志を持った人達がいた場所だったから、今回ご縁ができて私達は多賀城にいざなわれたのかもしれません。
また、城跡には、二股に分かれた古い桜の木がありました。
その木は、ずっとこの土地にいて、まるでこれまでの歴史を見て来たかのように立っていました。
そして私達に、歴史の別の側面も教えてくれたような気がしました。
多賀城は、今年で丁度創建1300年を迎えるそうです。
高台の城跡から、先人達の願いがこれからも広く伝わっていくように思いました。
ペンネーム:ユメコ